ダチュラな私。
状況は理解出来ても私はなんの言葉も吐き出せなくて、ただ言葉にならない短い音だけしか出てこない。
そんな私を見ていた虎は。
「花、顔真っ赤やん!!」
そう言うとお腹を抱えて笑い出した。
近所迷惑なほどの大笑いに文句の一つでも言ってやりたくなったけれど。
言葉は出てこないし、残念ながら虎の言う通り私の顔は赤くなっているはずだ。
でも、誰だって、前髪越しとはいえ……
額にキスをされたら、こうなるはずだ。
私は熱い顔のまま額を押さえながら、笑い続ける虎をキッと睨んだ。
だけどそれすらも逆効果だったようで、虎はさらに大笑いしてしまう。
ムカつくし、悔しいし、なにより恥ずかしくて、なんだか泣きたくなっていると。
「ごめんごめん。これで機嫌直してや。じゃあまた今度な」
虎は笑いすぎて目尻に浮かんだ涙を拭いながら、私になにか投げてきた。