ダチュラな私。
「うん。二人が好きなショップのネックレスにしようと思って」
一成を見ていた皆さん、ごめんなさい。
この男に悪気はないんです。
一成のかわりに心の中でそう謝罪しながら、私も同じように上を指差した。
今日の目的は来月誕生日を迎える聖羅と爽吾君の、誕生日プレゼントを購入することだ。
このあいだ何気なく、プレゼントを何にしようかな、と一成に相談した私。
すると一成も迷っていたらしくプレゼントを共同で渡すことになった。
アルバイトをしていない私にはありがたい提案だったし、とても嬉しかったんだけど。
不機嫌な一成を見ていると申し訳なくなってきて、一人で来ればよかったなと思った。
「ああ、あそこか。確か五階だったな」
だけど不機嫌ではあるものの、一成は私を置いて帰ろうとはしない。
私はそのことに安心して、エレベーターホールに向かって歩く一成の背中を追った。