ダチュラな私。
最悪の遭遇
誕生日プレゼントを買って逃げるようにファッションビルから出た私達は、飲食店が並んだ通りまでやってきた。
目指すはこの間、虎と行ったカジュアルなチャイニーズレストランだ。
ビルを出てご飯に行こうと誘ったとき、一成は帰りたそうな顔をしていたけれど。
あのエビチリには食べる価値がある。
むしろ、食べなければ後悔する。
そう私と虎が熱弁すると一成は渋々といった感じで頷いてくれた。
通りはファッションビルから流れてきた人達で溢れていたけれど、ピークの時間帯を過ぎているからかスムーズに歩けるくらいにはすいている。
前を歩く一成の後ろ姿も、さきほどよりも機嫌よさ気に見えた。
一成の隣を歩く虎は相変わらず跳ねるように歩いていて、とても楽しそうだ。
私はそんな二人から少し離れて、後を付いていっていた。