ダチュラな私。

それは歩幅の違いが原因でもあるけれど、なによりも、私には二人と並んで歩く勇気がもうなかった。

二人は、とにかく目立つ。

一人ずつでも目立つのにそんな人間が並んで歩いているのだから、周囲から送られてくる視線の数は半端ではない。


別に私が見られているわけじゃないんだから、気にしなくていいんだろうけれど。

二人に熱い視線を向ける人達は、十人並みの私が二人と一緒にいることが気にくわないらしく、恐ろしい視線を私に向けてきた。


おかげで私のなけなしの勇気は全て消費されてしまい。

一般人とは思えない容姿と雰囲気を持つ二人と並んでいることにいたたまれなくなった私は、大人しく離れて歩くことにした。


二人と並んでいても、恥ずかしくない人間になりたいな。

私は数メートル先を歩く二人から視線を逸らして、深くため息をついた。
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