ダチュラな私。
それが、いけなかった。
ため息をついた私が前方なんて見れるわけもなく、誰かにぶつかってしまった。
「あっ、ごめんなさい」
自分の馬鹿さ加減に反省しながらそう謝って、顔を上げる。
だけど顔を上げた先にいたのは善良な市民、ではなくて。
海で声をかけてきた奴らを三倍軽くしたような、ニヤけた顔をした三人の男達だった。
私は、人を見る目はあるほうだと思う。
だからこそ、この男達がただ軽いだけではなく“危ない人間”だということが、なんとなくわかっていた。
この男達に比べたら、海のときの男達なんてかわいいものだ。
「あの、本当にすみませんでした」
早く、逃げなきゃ。
それだけを考えて因縁をつけられないように、謝りながら逃げようとしたけれど。
不愉快な感覚が、私の腕に走った。