ダチュラな私。

この男達の全てが恐い。

だけどこんな男達に馬鹿にされていることが、とにかく悔しかった。


「あはは!ちょー可愛いじゃん!」

ゲラゲラと下品に笑う男達。

言い返したい言葉は山ほど浮かんでいるのに、それを言葉に出来ない自分。

恐くて、でも悔しくて。


「ほら、あっちで遊ぼう」

俯いてぎゅっと唇を噛みしめていると、黙っている私の腕を引く醜い男。

男が私を連れていこうとしている先は路地裏で、そこでなにをしようとしているのか考えたくもなかった。


勇気なんてもう残っていない。

でもここでそれを振り絞らなきゃ、私はただの弱虫の馬鹿女だ。

顔を上げて、一度大きく息を吸って、手を振り払おうと体に力を込めたとき。


「なにしてんだよ」

聞き慣れた安心出来る声に、私の体から力が抜けていった。
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