ダチュラな私。

声がしたほうに視線を向けると、男達の体の隙間から赤茶色と金色が見えた。

それはもちろん一成と虎で、二人の視線はそれだけで人を殺せるんじゃないかと思うほど鋭いものだった。


「俺らの連れになにしようとしてるん?」

視線は見たことがないほど鋭いのに、声色はいつも通りの虎が近付いてくる。

男達は今がどういう状況なのか理解しきれていないらしく、固まったまま視線だけを二人へと向けていた。

虎はそんな男達にお構いなしに近付いてきて、男達の目の前に立つと。


「そんな手でこいつに触れんなや」

鋭い視線のまま、さきほどとは違うとても冷たい声でそう言って、私の手首を掴んでいた男の手を叩き落とした。

その衝撃で腕に痛みが走ったけれど、不快感と恐怖感は小さくなる。

だけど虎は鋭い視線のまま男達をただ見ていて、男達はまるでさっきの私のようにただ黙り込んでいた。
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