ダチュラな私。
だけどその表情は打って変わって、パーフェクトなスマイルで。
「おい。今度こいつになんかしようとしたら……わかってるよな?」
でもその口から紡がれた言葉は、スマイルとはほど遠いものだった。
男達のほうに視線を向けると予想通り、顔は青ざめていて。だけど、全員が揃って首を縦にふっていた。
虎はそれで満足したのか何も言わずに私の手を引いて男達に背をむけて歩き出す。
引かれるままに足を進めると虎の背中越しに一成と目が合ったけれど、一成は私達を待つこともなくさっさと歩き始めてしまった。
「ちょ、虎待って」
そんな一成の背中を追うように歩く虎は、そう言っても返事をしてくれなくて。
人の流れより早く歩く私達は当然の如く、人とぶつかってしまい。
「ごめんなさい!」
私はそう謝りながら小走りでなんとか虎についていった。