ダチュラな私。
視線の感覚
あっ、まただ。
私は聖羅と爽吾君の壮絶なるシューティングゲーム対決から目を逸らして、騒がしいゲームセンターの中を見回した。
だけど私の視界にはゲームセンターで遊ぶ人々しか映らなくて。
でも私がこの感覚を間違えるとは自分でも思えなくて頭を捻っていると。
「おい、どうかしたのか?」
「そうや。さっきからキョロキョロして」
シューティングゲームの真後ろにあるクレーンゲームで遊んでいた一成と虎が、不思議そうな視線を私に向けてきた。
二人は両腕にたくさんのぬいぐるみを抱えていて、その姿が可愛らしくて少しだけ笑ってしまいそうになったけれど。
「んー…、なんだか最近、誰かに見られてるような気がして」
私は少し考えたあと。
深刻な雰囲気にならないように、少し気になっていたことを二人に話した。