ダチュラな私。
見られている、と最初に感じたのは五日ほど前に一人で買い物に出掛けたときだった。
人の視線に敏感な私はすぐにそれに気が付いて、何度も後ろを振り返ったのだけれど。
結局、人影なんて一つも見えなかった。
だけどそれから家を出る度に、人に見られているような感じがして。
けれど“悪意”は感じなかったので、私はあまり気にせずにいたのだけれど。
「はあ?」
「それほんまか?」
一成と虎は違ったらしい。
二人の表情が一瞬で、ぬいぐるみとは真逆の険しいものへと変わっていく。
そして眉間にシワを寄せた二人は、私が止める間もなく。
周りを威嚇するように、誰彼構わず鋭い視線を突き刺していった。