ダチュラな私。
「あっ、でも私の気のせいかも知れないし」
幸い、二人の視線に気付いている人は誰もいない。だけどもし、気付かれてしまったら……間違いなく喧嘩になる。
私は慌ててそうフォローを入れた。
「ふーん」
「そうかあ」
だけど二人はそう返事しつつも、威嚇を止めてはくれない。
むしろだんだんと、視線が鋭くなっているような気がする。
出来るだけ深刻に聞こえないように言ったはずなのに、どうしてこうなるんだろう。
だいたい根拠は私のカンだけなのだから、本当にそうだとは限らない。
……やっぱり言わないほうがよかったな。
後の祭り、という諺が頭に浮かんできた。
私はメダルゲームを占領している柄の悪い集団が二人の視線に気付きませんように、と願いながら。
二人の腕を引っ張って、視線をこちらに向けるように促した。