ダチュラな私。

「大丈夫だから。ね?」

見下ろすように視線を私へと向けてきた二人に、明るい声と笑顔でそう言う。

二人は納得がいかないようで、一瞬、眉間のシワが濃くなったけれど。

虎は仕方がない、とでも言うように力無く笑い、一成は深いため息を吐き出した。


二人とも、心配性過ぎると思う。

……私は“お父さん”というものをあまり覚えていないけれど。

娘を心配する父親というものはこういう感じなのかもしれない。


結婚して子供が女の子だったりしたら、口うるさいお父さんになりそうだな。

「花、しばらく一人で出歩くなよ」

と、考えていたらそんなことを言われたので思わず吹き出してまう。

一成は顔に疑問符を浮かべながら私を見ているけれど、それすらも面白くて私はさらに笑ってしまった。
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