ダチュラな私。
リビングに入って、さっき投げ捨てたカバンを拾う。
寒さで少し震える手でカバンの中を探ると、携帯はすぐに見付かった。
二人にお惣菜を買ってきてもらおう。
そう思って開いた携帯の待受画面に光っていたのは、設定しているはずのプリクラの画像ではなくて。
海外アニメのキャラクターが、不思議なポーズをしている画像だった。
一瞬、なぜ待受画面がかわっているのか理解出来なくて思考がとまる。
だけどよく見てみるとボタンの形も画面の大きさも、見慣れたものとは違っていた。
これは……聖羅の携帯だ。
私と聖羅の携帯はよく似ている。
カラオケで私も聖羅もテーブルの上に携帯をおいていたから、入れ違ったのだろう。
だけどそう見当が付いても、これは私の携帯ではないのだから双子に連絡することは出来ない。
連絡が出来ないとお惣菜を買ってきてもらえないし、なにより不便だ。