ダチュラな私。
むしろ、爽吾君より聖羅のほうが私を知っている分、落ち込んでいるようにも見える。
私は聖羅にすら、何も話していないけれど。
勘が鋭くて周りをよく見ている聖羅は、私のことにも気付いているはずだ。
だからこそ、私に男が近寄ると角が立たないようにやんわりとフォローしてくれる。
そんな聖羅の優しさに甘えていた私。
一昨日だって聖羅が気付いてくれないかなと期待してしまったし。
私のそんな自分勝手な期待が今、聖羅にこんな顔をさせてしまっていると思うと……
謝るべきなのは私のほうだと思う。
「……本当にもう気にしてないよ。
ほら、はやく学校行こ?」
でもここで謝ることは私の自己満足でしかなく、聖羅の気持ちを和らげるものではない。
私は聖羅と爽吾君に交互に視線を送りながら、一〇〇メートル先に見えてきた学校を指差した。