ダチュラな私。
学校、というよりはただのビルにしか見えない建物。
薄いクリーム色をした外壁は所々黒っぽく汚れていて、このビルがそれなりの年月を経たものだということがわかる。
そして上履きが存在しないこの学校にパンプスのまま、生徒用の出入り口である中央玄関から足を踏み入れると。
「おっ、花だ!おはよ!」
「本当だ!久しぶりじゃん」
エントランスで立ち話をしていた人達に次々と声をかけられた。
声がしたほうに視線をむければ、そこには全日制の高校では停学間違いなし、といった感じのカラフルな髪色と派手な洋服で自分を着飾った人達。
ちらほらと制服の人達も居てるけれど、そのほとんどが個性的に着崩されている。
「おはよう!」
私はそう元気よく笑顔で皆にこたえながら。
相変わらず何でもアリの学校だな、と笑顔の裏で苦笑した。