ダチュラな私。
「今日だけじゃない。お前にストーキングされた日から何年も何年も。
お前の影に怯えながら生きてきたんだ!」
だけど一成は男が話を聞いているのか聞いていないのかなんて気にすることなく。
激しい言葉を男にぶつけた。
その言葉は全て、私の気持ちを代弁してくれたものだった。
涙が零れ落ちた。
涙が一つ落ちてしまうとそれはもう止められなくて、ただただ流れ落ちる。
でもこの涙は悲しいからじゃない。
嬉しいから零れた涙だ。
嗚咽を抑えるために唇を噛み締めながら一成と虎と、あの男を見る。
まだ一成の腕を叩いているあの男には、一生をかけても理解出来ないだろう。
一成の言葉の意味も。
私が泣いている理由も。
動かずにじっとしていた虎が、そっと一成の肩に手をおく。
するとその横顔が悔しそうに歪み、一成は乱暴に男を地面に投げ捨てた。