ダチュラな私。

一成は私が警察に行かないと言うことも、その理由もわかっているんだろう。

だから、守ってくれると言ってくれた。

でも、そう言われてもやっぱり行きたくないし、後のことを考えると怖い。


だけど……信じてみようと思った。

一成の言葉を。力強い視線を。

私は一成と虎を見つめながら、ゆっくりと首を縦にふった。


「じゃあ帰ろか」

虎は何度か頷いたあと安心したように笑いながら、私へと近付いてくる。

やっと帰れるんだ。

この非日常から戻れることに、大きく息を一つ吐き出していると。


「いや、ちょっと待て」


一成から声がかかった。

私も、私の目の前まで来ていた虎も同時に一成に視線を向ける。

私達の視線を受け止めた一成は少し視線を逸らして、まだ倒れている男に向ける。

そしてもう一度、私達に視線を向けた。
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