ダチュラな私。
私達が通うのは全日制高校ではなく、通信制高校だ。
正式名称はもっと長くてややこしく、さらには学校名にプラスして学校法人だとか県立だとか何だかんだと付くのだけれど。
だいたいの人は何となく、この学校の特殊性を理解してくれる。
それでもイマイチ理解してくれない人には、遠足がある大学みたいな高校だと私はいつも説明していた。
知り合い達と挨拶を交わしながら、エントランスには不似合いな黒板の前に立つ。
この高校にはクラスがないため学校に来る度にいちいち自分が受ける授業の教室を、この黒板で確認しなければならない。
「おっ、花じゃん。おはよ」
「おはよっ!」
「花ー、向こうでお前のこと探してる奴がいたぞ」
「わかった。ありがとう」
私が確認している最中でも遠慮なく声をかけてくる人達に笑顔を向けながら。
今日は第四教室か、と考えながら私は聖羅と爽吾君と並んで中央階段を上っていった。