ダチュラな私。
あの日。
アイツを殴ったあとにそのまま意識を失った私は、一成と虎が呼んでくれた救急車でこの病院まで運ばれた。
本当は入院するような怪我はしていなかったのだけれど高熱がでてしまったので、五日ほど入院するように言い渡された。
……アイツはそのまま警察署に連れていかれて、今は毎日取調べを受けているらしい。
意識を失った私は知らなかったのだけれど、一成と虎が警察に引き渡していたのだ。
警察の人達は私のところにもやって来た。
無神経だと罵ってやりたい気持ちはあったけれど、記憶が鮮明なうちに私から話を聞きたいという警察の事情もわかっていたし。
なにより、家族が側にいてくれたのでとても心強かった。
私が病室で目を覚ましたとき、最初に映ったものは母と双子の泣きそうな顔で。
不謹慎だけど、心底私を心配してくれているその表情を見て私は嬉しくなってしまった。