ダチュラな私。

一成と虎にはあの日から会っていない。

二人も警察から事情聴取を受けていると双子が教えてくれた。

そして双子は、あの日、なぜ一成と虎が私を助け出してくれたのか、その理由も教えてくれた。


あの日、家に帰ってきた双子は家の様子を見て頭を捻っていたらしい。

カバンはリビングにほったらかし。
お風呂のお湯は出しっぱなし。
玄関の鍵も開けっぱなし。

それなのに、私はいない。

鍵も閉めないで私はどこへ行ったのかと考えていると、龍希の携帯が鳴った。

その電話の相手は一成で、そこで双子は私と聖羅の携帯が入れ違っていることを知った。


なぜ、一成が双子に電話をしてきたのかというと。

聖羅が爽吾君の携帯から何度電話をしても、私が電話に出なかったので。

一成と双子が携帯番号を交換していることを知っていた爽吾君が、一成から双子に連絡してもらうように頼んだからだった。
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