ダチュラな私。
そこからは私も知っている通り、一成と虎は私を助けてくれた。
不幸な偶然と幸運な偶然。
それらが全て重なって、私は今、ここでこうしていられる。
もし二人が私を助けてくれていなかったと想像すると……背筋がゾッとする。
だけどあんな目に遭ったというのに、長年私の中に巣くっていたアイツに対しての恐怖心は消えていた。
それはやっぱり、自分の手でアイツを殴れたからなんだと思う。
もしあのとき、あのまま帰っていたらアイツのことはもちろん、助けてくれた一成と虎のことですら怖くなっていたかもしれない。
視線を自分の右手にやる。
指の付け根のあたりに小さな青アザが数個出来ていた。
だけどこのアザは、どれだけみっともなくとも私が自分の力で戦った証だ。
アザの部分を撫でたあともう一度、光輝く外の世界に目を向ける。
そこは私の心の中をあらわすように、クリアだった。