ダチュラな私。
私は今まで恋愛相談というものをされたことはあっても、したことがない。
だからどう話を切り出していいのか、全くわからなかった。
聖羅はなにも言わずに、私がなにか言うのを待っていてくれている。
爽吾君の声も聞こえないので、多分、なにかを察してくれているのだろう。
待ってくれているのに、適当にごまかすわけにはいかない。
私は意を決して体を起こし、ソファに背筋を伸ばして座りなおす。
そして、深く息を吸い込んだ。
「あ、あのね、虎に告白されて……私、どうすればいいのかわからなくて」
事実を並べただけの短い言葉だけど、私にはこれが精一杯だ。
ドキドキしながら返答を待っていると、感心したような、驚いたような聖羅の声が聞こえてきた。
「どうかしたの?」
その声の意味が私には全くわからなかったので、そう問い掛けた。