ダチュラな私。
「じゃあな。
またこっち来たら遊んでや」
虎は最後に私の頭を優しく叩くと、ゆっくりと立ち上がりながら真っ赤なボストンバッグを肩に下げる。
そして私の前に立つと、あの太陽の笑みを見せてくれた。
私はこの笑顔が大好きだ。
押し付けがましくなく、自然と人を元気付ける笑顔が出来る人はなかなかいない。
私自身、自分でも気付かぬうちにこの笑顔に何度も助けられてきたんだ。
「私こそ。もし私が大阪に行ったら案内してくれる?」
「もちろん!どこでも連れてったるわ!」
少し冗談めかしてそう言うと、胸をはって堂々と虎はこたえてくれた。
それは暗に“なにがあっても友達だ”と宣言してくれているようで。
私は嬉々とした気持ちで大きく頷いた。