ダチュラな私。
部屋の中から声がした。
ノブに手をかけてゆっくりとドアを開けると、ベッドに寝転がっている一成が見えた。
だけど一成はこちらを見ていない。
何か考え事でもしているのか、額に手をおいてずっと天井を見ている。
「お邪魔します」
一成を見つめたまま後ろ手にドアを閉めながら、そう声をかける。
ドアが閉まる音がしたのと、一成が驚いたように体を起こしたのはほぼ同時だった。
「急になんだよ?」
笑いを噛み殺しながら近付いていくと、見開かれていた目が不機嫌なものへと変わる。
やっぱり連絡も無しに来たのは非常識だったな、とその表情を見て反省した。
だけど、来てしまったものは仕方がない。
「あのね、話があるの」
私はベッドの前に立って一成を見下ろしながら、話を切り出した。