ダチュラな私。
だからいつまでもここに私がいたら、お互いに意地を張って仲直りしないのは目に見えている。
「じゃあ私、あっちの教室だから」
なので私はさっさと教室に入ることにした。
そうすればこの二人のことだから、自然と仲直りするだろう。
「……うん。終わったら教室で待っててね?今日は花の好きなカフェに行こ」
「今日は俺と聖羅でご馳走するから、好きなだけケーキ食べてね」
私がその場から立ち去ろうとすると、お互いに顔を合わせないようにしながらも、同じ色の瞳を持つ二人がそう誘ってきた。
その誘いが一昨日のことを気にしている二人が考えたお詫びだとすぐにわかる。
……二人は悪くないのだから、そんなことをしてもらう理由は全くないのだけれど。
「ありがとう。じゃあまた後でね」
それで無意味な“ごめん”を聞かなくて済むのなら、今日はご馳走してもらおう。
私は二人に手を振りながら、第四教室に向かって足を進めた。