ダチュラな私。

「まあ、いいんじゃね?
虎とお前、お似合いだよ」

なにか言わなければ。

そう必死になって声を出そうとしていると、一成の無情な言葉が鼓膜を揺らした。

鼓膜以上に揺らされた心臓に影響されて、涙腺が崩壊しそうになる。

私は唇を噛んでそれを堪えた。


「ほら、早く帰れよ。
いくら俺と虎が従兄弟だからって簡単に男の部屋に来るな。虎が悲しむだろ」

それなのに一成は追い打ちをかけてくる。

……勝手に勘違いして、話を進めて、しかも私の話は聞いてくれない。

そんな一成を見ていると、私はだんだん腹が立ってきた。

それが私の自分勝手な感情だということは、重々承知していたけれど。


「私、虎と付き合ってない!
話くらいちゃんと聞きいてよ!」

私は涙のかわりに、感情を爆発させた。
< 322 / 342 >

この作品をシェア

pagetop