ダチュラな私。
第四教室
三階の一番東側にある第四教室。
教室のドアを開けると、そこには誰も居なかった。
通信制ならばこの光景はそんなに珍しいものではない。
この授業、必要出席回数少ないし。
なによりまだ始業一五分前だから、始業直前にニ、三人駆け込んでくるパターンだろう。
私はドアを閉めながら、誰も居ない教室に足を踏み入れた。
ドアを閉めてしまうと、学校内の音はほぼ完璧に遮断される。
それは防音設備が良いというわけではなく、ただ単に、三階に人があまり居ないからなのだけれど。
エントランスの騒々しさを抜けた後のこの静けさには、この学校に一年以上通った今でも慣れることはない。
なんだか不気味だな、と考えつつ、一番前の窓際の席にカバンをおいた。
……だけど、まあ。
一人きりなのは楽だからいいか。
私は椅子に座りながら久しぶりに、学校内で笑顔を消した。