ダチュラな私。
あの男の隣に座ったのはいいけれど、もちろん、私とこの男に会話なんてものが生まれるはずもなく。
それにつられたかのように、いつもはよく喋る爽吾君と聖羅も、何一つ言葉を発しようとはしなかった。
「お、おい聖羅。コンビニ行くぞ!」
面白くもないテレビが流れ続ける部屋。
そんな空間に最初に耐え切れなくなったのはやっぱり爽吾君で。
突然立ち上がると、落ち着かないようにモゾモゾとしている聖羅にそう言った。
「えっ、あっ、うん。でも……」
爽吾君を見たり、私を見たり、この男を見たり、忙しく視線を動かす聖羅。
私とこの男を二人きりにしてもいいのか考えているのだろう。
聖羅のそんな思考に気付かない爽吾君は、早くしろと言わんばかりに聖羅の手を握る。
急かされた聖羅はどうしたらいいのかわからない、と言いたげな表情を私に向けた。