ダチュラな私。
私自身、自分がモテているだなんて思ったことは一回もないけれど。
他人から見れば私はモテているらしく、今言われたことは聞き慣れたものだった。
「そんなことないよ」
だけどこの男にまでそんなことを言われるとは思っていなかった私は、いつも通りの返答をしながらも内心ではかなり驚いていた。
「別に可愛いわけでも美人でもねえのに」
私の返答を完璧に無視して、納得がいかないようにそう呟いている男。
確かに私は平凡な見た目だ。
テレビに出ているアイドルみたいに可愛いわけでも、聖羅みたいに美人なわけでもない。
だからこの男が言っていることは正しいのだけれど……はっきりとそう言われてしまうと何だかイラついてしまう。
イラつきと合わせて沸き上がってくる数々の言葉をぐっと胸の奥にしまいながら。
男から視線を逸らして、気を紛らわすために携帯電話を手にとった。