ダチュラな私。

携帯を開くと、メールが数件届いていた。

どちらかというと夜型の友達が多い私は、電話の着信音はバイブレーションに設定してあるけれど、メールの着信音はいつもサイレントに設定してある。

友達もそれを知っているからすぐに返事が欲しければ電話、返事がすぐでなくてもいいならメールと使い分けてくれている。


メールを読んでみると案の定、ニ、三日中に返信すればいい内容ばかりで。

とりあえず家に帰ってから返信しようと携帯を閉じようとしたとき。


「やっぱりその身体か?」

そんな言葉が耳に届いた。


脈絡のないそれに疑問符をいだきながら、ほぼ反射的に左側に視線を向ける。

男は馬鹿にしたように私を見ながら、その指先は私の体を指していた。

それを見て、やっと。

その言葉がさっきの話に対する男が出した答えなのだと理解した。
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