ダチュラな私。

聖羅と爽吾君と来る予定だったカラオケ。

それなのに私がここに来たときには、なぜか見知らぬ男が二人もいた。


その不愉快な光景に部屋に入った瞬間、笑顔のまま固まってしまった私。

ドアを開け放したまま立ちつくす私に、聖羅は丁寧に二人を紹介してくれた。


この二人は爽吾君の友達で、爽吾君が二人を勝手に誘っていたこと。

二人とも私達と同じ高校だということ。

聖羅もつい一〇分ほどまえに紹介されたということ。


その話を聞いた私は、人類みな兄弟思想の爽吾君に怒りを覚えたけれど。

ここまで来てしまっている二人に対して、嫌だから帰れとは言えない。

それにそんな爽吾君だから、私は爽吾君と友達になれたわけだし。


……仕方がない。今回だけは我慢しよう。

そう心に決めた私は名前も知らない男達に、挨拶用の笑顔を向けた。
< 7 / 342 >

この作品をシェア

pagetop