ダチュラな私。
聖羅と爽吾君と来る予定だったカラオケ。
それなのに私がここに来たときには、なぜか見知らぬ男が二人もいた。
その不愉快な光景に部屋に入った瞬間、笑顔のまま固まってしまった私。
ドアを開け放したまま立ちつくす私に、聖羅は丁寧に二人を紹介してくれた。
この二人は爽吾君の友達で、爽吾君が二人を勝手に誘っていたこと。
二人とも私達と同じ高校だということ。
聖羅もつい一〇分ほどまえに紹介されたということ。
その話を聞いた私は、人類みな兄弟思想の爽吾君に怒りを覚えたけれど。
ここまで来てしまっている二人に対して、嫌だから帰れとは言えない。
それにそんな爽吾君だから、私は爽吾君と友達になれたわけだし。
……仕方がない。今回だけは我慢しよう。
そう心に決めた私は名前も知らない男達に、挨拶用の笑顔を向けた。