ダチュラな私。
天使と悪魔
小さな私の背中を、じっとりとした嫌らしい目付きで見つめているアイツ。
そんな視線に気付いていない私は、とても無防備な表情で歩いていた。
お願い、気付いて。
何度そう叫んでも小さな私には届かなくて、そんな私を嘲笑うかのようにアイツと小さな私の距離は縮まっていく。
そしてアイツが小さな私の真後ろに立って、その手が肩に触れようと伸びたとき。
声にならない大声で叫んだせいか、私の世界はそこで崩壊した。
目を覚ますと、頭が割れるように痛かった。
呼吸も荒く、体も汗ばんでいる。
久しぶりに見たリアルな夢に体は重くなっていて起き上がることも出来ない。
「だいじょうぶ?
こわい夢をみたの?」
寝転んだままこめかみの辺りを摩っていると、耳元で聞き慣れない可愛らしい声がした。