ダチュラな私。
あと少しで家に着くというところで、私は不法投棄の巣窟である空き地の前を通った。
この空き地はいつも大型のゴミで溢れていたけれど、地面が土だからかいつも小さな花がたくさん咲いていた。
私は名前が“花”だから、普段は意識していなくてもやっぱり花には目がいって。
前まではここに咲いている花の名前を調べることが小さな趣味になっていた。
だからこのときもほぼ無意識で知っている花の名前と、咲いている花を照らし合わせていったの。
そのとき、見たことがない小さな赤い花が目に入った。黄色、白、紫の小さな花が揺れるなかでその赤い花はとても目立っていて。
気になった私はわざわざ座り込んで、その赤い花に触れた。