ダチュラな私。
香る部屋
全てを話し終えてテーブルの前に座る男を見ると、なんだか難しい表情をしていた。
その表情からは何を考えているのかなんて、全く読み取れないけれど。
なんて言えばいいのかわからない。
もしかしたらそんな風に考えているのかもしれないな、と思った。
だけど私はこの男が何を思い、どんな言葉を紡ぐのか知りたかった。
だからこそ、全てを隠さずにありのままに話したんだから。
私は黒く輝くその瞳をじっと見つめた。
「そいつ、今は?」
そして何度か私とテーブルに交互に視線を向けた男は、そう言葉を紡ぐ。
予想していた言葉とは全く違う方向からのその質問に少し驚いたけれど、私は質問の答えとしてゆっくりと首を横にふった。