ダチュラな私。

「そっか。モテそうなのにね」

綺麗に染められたアッシュブラウンの髪を触りながら笑う男。

その仕草からはナルシシズムが感じられた。


確かに顔は悪くないしファッションセンスも悪くはないから、女の子にはモテるタイプなのだろうけれど。

「そんなことないよ。
私、全然モテないし」

私にはそんなことどうでもいいことで。

唯一、私がこの男に興味を持てる部分と言えば、その綺麗なアッシュブラウンの髪をどこで染めたのかということくらいだ。


「嘘でしょ？だってこんなに可愛いのに」

私がそんなことを考えているとは思わない、少し残念なこの男。

内心で男を馬鹿にしながら、私はその言葉に困ったようなそぶりをする。

そして、照れたように微笑んで。


「そうかな？ありがとう」

私は心にもない言葉を吐き出した。
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