ラストメール
お父さん
去年3月に定年を迎えた父に兄と私で携帯電話をプレゼントしました。

退職前は「携帯なんぞいらん」っと言っていたが、凄く嬉しそうです。

父は無器用な上機械音痴でした。
でも悪戦苦闘しつつも一生懸命頑張っていました。
私は父に一通り教えた後、父にメールを送信しましたが、返事は来ませんでした。

その年6月に父は脳溢血で急死してしまいました。
孫の顔を見れずに他界してしまいました。

40年間働き続けた父が安らいだ期間はほんの2ヶ月ちょっとだけでした。

葬式の後、父の携帯を見たら一通の未送信メールが有りました。
最初で最後の私宛てのメールでした。
私は泣きながら送信ボタンを押しました。

「やっとお前からのメールが見れたぞ
返事出すにはかなり時間が掛ってしまってすまないな。
父さん此からは毎日が日曜日だ
孫が産まれたら子守りしてやるぞ」


私の一生の保護メールです。

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