【実話】アタシの値段~a period~
それとも、もう他の誰かの部屋で
眠りについている頃だろうか。
そもそも、せっかくの誕生日に
あえて俺の所へやって来たこと自体
不思議な話しだ。
ユキの歳の女の子なら
誕生日を一緒に祝ってくれる人なんて
掃いて捨てるほど居るだろうに。
もう時期
朝がやってくる。
けれど幸い、明日は仕事が休みだった。
窓の外で、再び音を強め始めた雨を
ブラインド越しに見つめ、部屋を出た。
こんなにも時間が経ってしまったのだから
もう、おそらく
外には居ないだろう
と思いながらも
独りで凍える彼女の姿が
リピートされた映像のように
脳裏に流れた。