【実話】アタシの値段~a period~




ザーザー


と、感情をぶつけるかのように


雨音が強まる。



彼女の小さな背中は
闇に飲まれて見えなくなった。



"泊めてくれない?"



見ず知らずと言っても決して大袈裟ではない俺に


そんな事を言ったくらいだ。




きっと、本当に


帰る場所なんてないのだろう。




そう思うと同時に、俺はアクセルを踏んだ。








同情?

そんな陳腐な思いからではない。







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