【実話】アタシの値段~a period~
『そういえば、隆志って何歳なの?』
朝食をつくる俺にユキが聞く。
「ははっ、お前それ、かなり今更だなー。」
『だって聞くの忘れてたしー。』
「まぁ…24だよ。」
『24なの?なぁーんだ、若いじゃん。』
隣りまで来てつまみ食いをするユキ。
「なんだよそれ、いくつだと思ってたんだよ。」
目玉焼きを皿に移しながら
目を細める俺。
『だって、アタシくらいの歳の頃はーなんて言うから、いくつかと思ったよ。』
「フォローにしか聞えねぇぞ…」
落ち込んだ振りをする俺の後について
箸を運ぶユキの笑い声を
背後に受けながら
いつになく、心が穏やかな朝だと思った。
こんな朝は、久しぶりだ。
と言っても、時刻はもう昼を過ぎてはいたけれど。