【実話】アタシの値段~a period~
「ユキは寂しがり屋さんじゃないの?」
『ふふ…男の口から寂しがり屋さんって、初めて聞いたよ。』
続けて
『アタシは慣れてるから…独りになんて。』
そう言って、視線を落としたユキは
『あ!!ケーキ!』
と、思い出したように冷蔵庫へと駆け寄った。
せっせと何往復もして、テーブルに並べたケーキを
美味しそうに頬張るユキが、無邪気な子供に見えた。
「慣れるもんじゃないぞ。」
ユキの向かい側に座る。
え?と視線が合って
「独りになんて、慣れたらダメだよ。」
煙草に火を点けながら言った。