【実話】アタシの値段~a period~
帰り道にある小さな公園のベンチに腰を降ろした。
考えるのは、隆志のこと。
博愛主義者?
なんて言い方はどうなんだろう、と思いながら
でも、それしかピンとこない。
見返りも求めずに
アタシを泊めて
誕生日まで祝ってくれたけど
隆志は決して
アタシを好きなわけじゃない。
それだけはハッキリと分かる。
同情…
それとも違う気がした。
だって、隆志……何も知らなかった。
家なんて、どこにもない事も
アタシがしていた事も。
隆志にとっては
ただの家出娘ってわけだよね。
だから…やっぱり
それしかピンとくる言い回しはない。