【実話】アタシの値段~a period~
恋……なんて
綺麗な言葉、
アタシには似合わないだろうけど
あの、優しい目で見つめられた時の
甘ったるくて、どこか苦々しい
捕らえどころのない感覚の正体は
それ以外には、思い付かなかった。
あの日、隆志の部屋で
空が綺麗だと
綺麗なものを、綺麗だと
思えた…
そんな風に思えたのは
いつ振りだったかなぁ…
なんて思う。
『ふふっ……くだらない。』
恋愛なんてするもんじゃないのに。
そんな事を考えながら
見上げた空は
ムカつく程に
やっぱり今日も綺麗だった。