【実話】アタシの値段~a period~
デッカイ男になるんだ、と長々語る彼に、
『願うだけで、夢が叶う時代は終わったのよ』
バカじゃないの?
と、散々、冷めた視線を送ってきのに
彼は懲りず
ちょくちょくアタシが行き着けるファミレスに
勝手に現れては
何時間も向かい側で
夢や野望を熱く語り
満足して帰って行く。
それだけの関係。
変わった男。
だけど
「社長になる!」
なんて、漠然とした子供みたいな夢を
叶えてしまったのだから
まぁ、あながち
夢見るバカオ君なわけでは
ないのだろうけど。
更に変わっている所と言えば…
浩介はアタシと寝たがらなかった。
ガキの身体には興味がない、と。