【実話】アタシの値段~a period~
せめて、メールの一本でもするべきだったな
と、申し訳なく思いながらも
いつになく
小ぢんまりとしたユキが
愛しい。
「待っただろ?ごめんな。」
ご機嫌ななめを覚悟で
ユキの向かいにしゃがみ込み
ふわっとユキの頭に手を置いて謝ると
『いいよ。仕事だもん。』
と、拍子抜けするほど
大人な返事が帰って来た。
そうか…
おそらくユキは
駄々を捏ねることも覚えずに
生きてきたのだ。