【実話】アタシの値段~a period~
『今日のメニューはぁ?』
ユキはキッチンで
カチャカチャと
コーヒーを入れながら。
「んー。何がいい?」
俺は寝室でスーツを脱ぎながら。
部屋着に着替えて
リビングに戻ると
『カルボナーラがいいな。』
ソファーに座り
無邪気にニコニコと振り返る。
「またか!」
俺の言う言葉を予知していたように
『いいじゃん!』
と、ユキの声が被さる。
ここ数日、
いや、むしろあの日から
ユキは来る度にカルボナーラをリクエストした。
と言いつつ俺もあの日から
常に冷蔵庫には
そのための材料を揃えていた。