【実話】アタシの値段~a period~



『あ~もう12時だね。』


と、この部屋には不釣り合いな赤色を見上げるユキ。


「今日も帰るの?」


『うん、帰るよ。』


「どこに?」


『隆志が引くから言わない。』


並んでテレビを向いたまま


会話をしていた俺達の間に


一瞬の沈黙。



「…引くってなんで?」


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