【実話】アタシの値段~a period~
仰向けで寝転んだまま
俺の肩に頭を置いて
『ねぇ、本当に家はあるんだよ?』
俺が渡した合鍵を
親指と人差し指に挟んだユキは
それを俺の目の前でフラフラと揺らしてみせた。
「あぁ、でも持っておけばいいよ。
スペアなのに部屋の中に置いたままじゃ意味ないしな。」
『そっかぁ~。』
エヘヘなんて、漫画のような形容詞しか
しっくりとこない笑い方で笑うユキ。
「鍵なくしたら、飛んで来てくれる?」
俺は指先で
ユキの長い茶髪で遊びながら。