【実話】アタシの値段~a period~
『いいよ。隆志が居る場所へなら どこだって飛んで行くよ。』
うとうとし始めたユキの言葉に
俺は鳥肌が立つほど
ユキを可愛く思った。
「じゃあ、毎晩なくしちゃうかもね。鍵。」
あはは、と静かに笑ったユキが
『隆志………もう…ひとりぼっちはヤダよ………』
そう言いながら
一筋の涙を流し
眠りに落ちていった。
俺は そっと
濡れた頬にキスをした。
涙の痕と一緒に
心の傷も
消し去ってしまえればいいのに
そう思いながら
俺も目を閉じた。