【実話】アタシの値段~a period~
やっぱり男なのか…?
ブラインドに指をかけ、外を見ても
それらしい車はない。
すると、すぐに一階のエントランスから出て来たユキが
駐車場を小走りに抜けて
どこかへ歩いて行く姿が見えた。
一体どこへ……?
離れた場所で
誰かが待っているのだろうか……。
いや、だめだ。
信じよう。
ユキはそんな女ではない。
裏切り
裏切られ
全てを失ったユキが
俺を裏切るはずがない。
そう思いながらも
その日はそのまま
眠る事ができなかった。