【実話】アタシの値段~a period~




『アタシ今からシャワー浴びるし、アンタ何か飲み物買ってこれば?』


財布をなくした浩介に


自分の財布を手渡すと


「やった~ユキちゃん優しい~♪」


大袈裟に喜ぶ浩介が


「あれ…このコ…」


と、呟く声が聞こえて


お風呂場に向かっていたアタシは振り返った。


浩介が見ていたのは
財布の中にいつも入れている


マヤと二人で撮った
プリクラだった。



『それね、アタシの親友なの。』


浩介はプリクラに視線を落としたまま


「でもこのコ…亡くなったって聞いたけど。」



静かにそう言った。




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